2017年4月3日月曜日

軌道のグラフ化

 このネタも久しぶりですね。ISS放出物体のグラフ化を行いました。


 およそ2016年10月頃から2017年3月末頃までの、軌道長半径のプロットです。
 個人的にアーカイブしているデータは、17年1月中頃までは1日に1回、それ以降は1日に2回のデータを保存していますが、実際にはTLEの更新は数日置きに行われたりするので、そんなにデータ量は多くはありません。
 とはいえ、6ヶ月間でおよそ70物体、データ数にして1万以上のTLEデータがあります。
 さすがにこの量になると、TLEの解析からグラフ化までをExcelで自動的に行うのは無理があるようです。解析等はそんなに大変ではなく、待ち時間さえ許容すれば今の数倍程度までは問題ないはずです。しかし、データの出力方法が悪いので、グラフ化の処理に失敗しています。折れ線グラフにするにあたり、衛星数xデータ数のマトリクスを生成し、そこからグラフ化しているのですが、現状で70万くらいのマトリクスになっています。もうちょっとスマートな方法があると楽なんですが、別アプリでグラフ化する必要があるのかなぁ。


 さて、愚痴っててもしょうがないので、ちょっとだけデータのおさらいをしましょう。縦軸は地心からの距離、横軸は時間で、それぞれ単位はkmと日です。縦軸の下端はおおよそ地表の位置、上端は上空500kmあたりです。横軸は20日/div 4日/divの目盛りになっています。日数は固定ですが、カレンダーの仕様上わかりずらいですね。このあたりの文句は歴代権力者に言ってもらうとして。

 グラフの一番上に常にいる濃い青の線はISS本体です。たまにリブーストしたりして高度を維持しています。
 その他の物体はすべてキューブサットなどです。
 濃い赤の、比較的なだらかな線を描き、17年3月上旬に再突入したのは、SPINSATという、かなり重くて球体な衛星です。重量がある、プラス、球体で空気抵抗が少ない、という物体のため、ISS放出衛星のなかではかなり長生きしていました。
 その他の衛星でも、キューブサットの大きさによって落下速度は変わりますが、1月末あたりにものすごい速度で落下している物体があります。これがFREEDOMで、膜展開により素早くDeOrbit(軌道離脱)しているのがよくわかります。

 おおよそ、300kmを下回ると加速度的に落下しているのがわかります。飛行機が飛べるのはおおよそ10kmまでで、それ以上は空気が薄くて大変ですが、小型衛星から見ると300km未満は空気が濃すぎて長生きできません。
 また、傾向として200kmを下回ると軌道追尾が終了しているようですね。


 こう言っては何ですが、キューブサットは結構あっさりと落ちてくるので、高度のプロットを見るのは面白いと思います。軌道を維持できる衛星はずーっと直線ですからね。

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