2017年2月3日金曜日

スペクトラム拡散

 なんとなくスペクトラム拡散をやってみたくなったのでやってみた。


 上から準に無変換連続波、周波数ホッピング、直接拡散、のスペクトル画面。横軸が周波数、縦軸が時間。


 青が無変換連続波、赤が直接拡散のスペクトル。横軸が周波数なのは同じだが、縦軸は対数になってる点に注意。デシベルじゃなくてベル。

 無変換と直接拡散では信号強度(絶対値)に4倍ほどの差がある。ノイズフロアに埋もれるというほどじゃないけど、いろいろノイズの有る空間ならもうちょっと見分けづらくなると思う。

 無変調はスペクトルを見るまでもなくAM復調でスイープしていけば、信号が出ていれば一発でわかってしまう。
 周波数ホッピングでは連続で受信することはできないが、スペクトルを見てればホッピングの頻度や拡散がどれくらいかというのは見てわかる。最近だとソフトウェア無線で広帯域を一気に受信できるから、送信者が1なら追尾できそうな気もする。
 直接拡散では薄っすらと信号があることはわかるが、環境や符号によっては送信されてる事自体がわからなくなってしまう。

 昔のレーダーは無変換だったので、何らかの手段で周波数さえわかれば、その周波数にAMラジオをあわせておけばレーダーが照射されたことを把握できるし、逆位相を返すようなトランシーバーがあれば無効化できるし、タイミングを合わせて送信すれば居もしない影を見せつけることができるし、そんなことしなくたって強い電波を当ててやればレーダースクリーンを塗りつぶすことができる。レーダーが使われた初期の頃は電子部品も性能や信頼性の問題があったが、最近ではどんどん高性能化され、色々と都合が悪くなってきた。
 周波数拡散を行うことにより、拡散パターンが知られない限りはレーダーや通信を無効化される危険性が少ない。とはいえ、昔は「周波数を知られない限りはレーダーや通信を無効化される危険性が少ない」と言われていたはずだから、情報量を増やして相手が把握するのを遅らせる、程度にしかならない。数年・数十年も経てばそういうのに対抗する手段もいろいろ出てくるだろうし、さらにそれに対抗する手段も出てくるはず。
 直接拡散の場合は特定のスペクトルに集中するエネルギーが少ないから、適切な拡散符号で復調しない限りは送信されていることすらもわからない。戦闘機等のレーダー警報は強いエネルギーに対して警告を発するだけだから、周波数拡散を行ったレーダー波には反応できない。帯レーダーミサイルも同様で、強いエネルギーに突っ込んでいくだけだから、直接拡散とか使われるとつらそう。
 

 とりあえず今回は拡散だけだったので、次は復調とかもやりたい。とはいえプログラムの中で波形いじるだけなのでなぁ。
 個人で電波で遊ぶのはかなり大変だし、かといってスペクトラム拡散とかで遊ぶとなるとどういう遊び方になるんだろうか。可聴帯域かなぁ。うるさそう。ソリトンレーダーでも作るか。ソリトンレーダーって音波だと思ってたんだけど、調べてみると電波っぽい。そりゃそうだよなぁ。MGS4だと音って言ってた気がするんだが。

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