2017年2月18日土曜日

超音波風速計 非対称な位相差の謎


 いくつか変な動きがあって、直接ADCのデータを見たくなったので、USARTを450kbaudにしてバッファを出力できるようにしてみた。いつもは115.2kbaudで、4倍くらいだけど、かなり早く感じる。

 波形を取り出したついでに35サンプル分くらい重ねてみた。アイパターンならひどいもんだけど、位相差に情報があるので、こんなもんだろう。



 無風と向きを変えた風で、3パターンの波形がこれ。無風時はほぼ位相差が無い(若干の位相差は工作精度の問題)。下の2波は風向が逆なのでチャンネルごとの位相のズレが逆転しているが、とりあえず位相差が出ているのはわかる。
 問題なのは、この際の位相ズレが非対称に起きているということ。位相遅れは3usecほど、位相進みは4.5usecほどある。風速に換算すると、それぞれ2.5m/sと3.6m/sほどとなる。双方ともほぼ同じタイミングで計測しているから、こんなにズレることはありえないはずだ。

 いろいろ計算してみると、無風時と有風時で流体の温度を1℃変えると実測値に近い結果となった。
 風は息を吹いて作ってるから、流体の温度変化が反映されている、というのはありそうな気もする。吐息の温度が室温+1℃程度なわけがないと思うのだが、ちょっと離れたところから吹いて雰囲気と混合されると温度が下がるのかな、とかいろいろ要素は考えられる。

 まだ確定じゃないが、意外と風速よりも温度のほうが変化が大きそうだ。知識として超音波風速計なら気温も測れるとは知ってるけど、ここまで強く出てくるとは。
 超音波は、風速計というより、流体の温度を測るセンサとしてのほうが感度が高いかもしれない。温度を測りたいなら定番だと熱電対だが、形状にもよるけど、気体に対しては時定数が数百秒ほど有るので、数m/s程度の気体の温度を分解能0.5℃くらいで90%時定数0.1秒未満で測りたい、みたいな用途に良いかも。どんなところでそんなの測りたいか知らないけど。

 とりあえずこの位相差の非対称性が本当に温度の違いなのか、別の要素なのかを確認する必要がある。やっぱり風洞欲しい。とりあえずヒートガンで冷風当てて確認かなぁ。

0 件のコメント:

コメントを投稿