2017年1月11日水曜日

とりこむ

SS-520-4号機打ち上げの延期について

天候の関係で打ち上げが延期になってしまったようですね。

今更ですが、TRICOM-1(トリコム)の軌道のはなしとか。

SS-520-4はあんまり投入精度の高いロケットではないと思うので多少の数値の変動は有ると思いますが、予定では近地点180km、遠地点1500kmの楕円軌道に投入される予定です。他には軌道傾斜角が公表されていますが、こちらは射点の緯度である31度となっています。

さて、この近地点・遠地点だと、平均運動14.18で離心率0.091くらいの軌道と予想できます。その際の長半径は7211kmで、焦点は660kmくらいです。これを図にすると以下のような感じです。



外側の赤色の線が予定の軌道、内側の緑色の線が地球の大きさです。地球の外側の水色の線は高度250km付近です。実際はもっと複雑ですが、あくまで目安ということで。
左端が近地点、右端が遠地点で、近地点は高度250kmのよりも内側です(近地点高度は180kmですから当たり前ですね)。

さて、以前のエントリで紹介した図を以下に再掲します。



下から3分の1あたりに緑で線を引いてありますが、この高さが高度180kmです。1枚目の図で水色の線を引いた250kmは、この緑の線より少し上の部分になります。
この図はISSから放出されたキューブサットですが、TRICOMも3Uのキューブサットとほぼ同程度ですので、軌道の変化も近い様子になるはずです。
というところから考えると、近地点180kmのTRICOMは非常に素早く軌道速度を失うと思われます。
もっとも、TRICOMはある程度離心率があり、遠地点は比較的高高度にいますから、遠地点が300km程度までは近地点はあまり大きくは変化せず、離心率が小さくなってだんだん円軌道に近くなり、やがて全体的に高度が低下してくると思われます。


といっても、あくまで素人の予想なので実際にどうなるかはわかりませんが。
とりあえずは無事の打ち上げ成功を期待しましょう。その後1ヶ月程度で軌道の変化が目に見えてわかるでしょうから、その時にもう一度グラフを書いて確かめてみましょう。

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